九条 誠(Negative Brightside編集長)
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後悔を解剖せよ、過去を振り返ることを恐れる者に成長はない
「過去を振り返るな」「前向きに生きよう」 こんな薄っぺらいアドバイスを真に受けている人間ほど、同じ失敗を延々と繰り返している。 なぜだろうか。答えは単純だ。 後…
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「頭の中は変えられる」という詐欺──見えないことを悪用する者たち
私たちは見えざる檻の中で踊らされている。その檻の名は「頭の中は変えられる」という幻想だ。 誰もが当然のように信じている。努力すれば性格は変わる。前向きに考えれば…
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幻想は必要だ|破綻した共同幻想と個人幻想の再構築
「現実を見ろ」「幻想を捨てろ」 このような言葉が、まるで絶対的正義であるかのように語られる。 だが、完全な現実認識がもたらすものは絶望だけだ。 現実認識の果てに…
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人間関係は道具である|コミュニケーション能力と呼ばれる他人操縦術の構造分析
「人間関係は道具である」 こう断言したら、血も涙もない異常な人間だと思われるだろう。 だが、現実はどうか。我々が日常的に実践している「人間関係」の本質を、冷徹に…
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思考の果てに辿り着いた場所
徹底的に考え抜いた先に、静寂がある。 それは絶望でも希望でもない。ただ、そこにある現実だ。 多くの思索者がこの静寂と出会ってきたのだろう。 私もまた、長い思索の…
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個体差を認めながら自己責任を語る者たちの論理的破綻
現代社会には、奇妙な論理的矛盾が蔓延している。 「人それぞれ違う」「個性を大切に」「生まれ育った環境はそれぞれ」 と言いながら、結果については「自己責任」「努力…
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ポジティブとネガティブは本来両輪である
私たちは根本的な錯覚の中で生きている。ポジティブは善でネガティブは悪。明るい思考は正しく、暗い思考は間違っている。この単純な二元論が、現代社会の思考を完全に歪め…
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ポジティブという蓋が、現実を腐らせる
ポジティブは、もはや“善”ではない。 現実を覆い隠し、痛みを見えなくするその言葉が、いかにして現実を腐らせてきたか。 この社会に蔓延する“前向き信仰”の病理を、…
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「家族の正しさ」が心を壊す──“模範”という暴力の構造
家族は、かけがえのない存在だ。そう教えられ、そう信じて、私たちは育つ。 親の愛に救われた記憶がある人もいるだろう。我が子の笑顔に、生きる意味を見出した人もいるは…
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「尊重」という名の放置。多様性社会が人を孤立させる構造とは
「多様性」という言葉は、なぜこれほど都合がいいのか。 誰もが肯定されたように感じられ、否定も批判もできない。自分を守る免罪符にもなり、相手を“認める側”に立つこ…